【こんな症例も治りますシリーズ 878】『 ワンちゃんの目のケガ(角膜びらん・外傷性ぶどう膜炎) 』も適切な診断と治療でコントロールします

↑ 上の写真は、ワンちゃんのフルオレセイン染色検査で角膜の傷が染まっている状態です。
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◆ 目の中央から左下にある『楕円形の緑部分』が『角膜の傷』です。

 

 

犬  ミニチュア・ピンシャー 14歳 オス(去勢手術済み)

 

 

【 タンスの角に目をぶつけてしまい、その後から目を開けづらそうにしている 】とのことで来院されました。

 

 

 

◆◆ 来院時の様子

 

 

■ 診察してみると、目をショボショボさせて開けづらそうにしており、白目の充血も強くみられました。 

また、ぶつけた側の瞳孔(黒目の中心にある、光を取り込む穴)が反対側よりも小さくなる「縮瞳」も認められました。

 

 

 

◆◆ 目の検査を行いました

 

 

■■ 目をぶつけた場合、見た目だけでは角膜(黒目の表面の透明な膜)や眼球の内部の状態まで判断することはできません。

 

■ 今回は、涙の量を調べる「シルマー涙液試験」、角膜を拡大して詳しく観察する「スリットランプ検査」、角膜に傷がないかを色素で染めて確認する「フルオレセイン染色検査」などを行いました。

 

■ 検査の結果、目の表面である角膜に浅い傷ができる「角膜びらん」と、眼球の内部に炎症が起こる「外傷性ぶどう膜炎」を認めました。

 

 

 

 

 

 

◆◆ 角膜の傷だけではないことも

 

 

■ 目をぶつけたときに起こるのは、表面の傷だけとは限りません。

 

■ 強い衝撃が加わることで、眼球の内部に炎症が起こることがあります。これが「外傷性ぶどう膜炎」です。

 

■ ぶどう膜炎では、目の充血や痛み、まぶしそうにする、涙が増える、瞳孔が小さくなるなどの症状がみられることがあります。

 

■ そのため、「目をぶつけて少しショボショボしているだけ」と思っても、眼球の内部まで影響していないか確認することが大切です。

 

 

 

 

 

 

◆◆ 治療中にはちょっとしたハプニングも

 

 

■ 角膜びらんとぶどう膜炎に対する治療を続け、少しずつ目の状態は改善していきました。

 

■ その途中、なんと抜けたまつ毛が角膜に入り込んでしまうという珍しい出来事もありました。

 

■ 幸いまつ毛は自然に取れ、その後も大きな問題なく経過し、角膜の傷・眼内の炎症ともに無事に改善しました。

 

 

 

 

 

 

◆◆ 目をぶつけた後は早めの受診を

 

 

■ 犬は家具にぶつかったり、散歩中に草や枝が目に当たったりすることで、目を傷つけてしまうことがあります。

 

■ 特に、目をしょぼしょぼして開けづらそう、白目が赤い、涙が多い、左右で瞳孔の大きさが違う、目を気にしてこする、といった症状がみられた場合には、角膜だけでなく眼球の内部にも異常が起きている可能性があります。

 

■ 目の病気は短時間で状態が変化することもあります。「少しぶつけただけだから」と様子を見すぎず、気になる症状があれば早めに動物病院へご相談ください。

 

■ 今回のワンちゃんも、治療途中にちょっとしたハプニングはありましたが、最後はきれいに治ってくれて本当によかったです!

 

 

 

 

 

 

◆◆ 本来は、目をぶつけたときこそ、見た目が軽そうでも、早めに目の検査を受けることが大切です。

 

 

■ 角膜の浅い傷(角膜びらん)でも、そのままにしておくと、細菌が入るなどして深い傷(角膜潰瘍)に進むことがあります。

 

■ また、眼球の中の炎症(ぶどう膜炎)が長く続くと、緑内障(目の中の圧力が上がる病気)や白内障などの合併症につながることがあります。

 

★ 今回のワンちゃんは、必要な検査で『目の表面の傷』と『目の中の炎症』の両方を見つけて、それぞれに合った治療ができたことが、きれいに治った大きな理由です。

 

★★ 目のケガは『様子を見る』のではなく、『すぐに検査をして、原因に合った治療を始める』ことが、大切な視力を守るいちばんの近道です。

 

 

 

◆◆ 『 目をぶつけた ⇒ すぐに目の検査 ⇒ \早期治療で視力を守る/ 』が世界では常識です。

 

 

 

 

 

 

獣医師 伊藤雅志

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